菅義偉首相は2021年7月24日に、東京・元赤坂の迎賓館で、フランスのマクロン大統領と会談しました。
フランスのマクロン大統領は、国際結婚が破綻した後に起きる子どもの親権問題に関して課題提起したとみられます。
日本人妻に子供を連れ去られ、虚偽のDVを訴えられ、子供と断絶させられたフランス人男性のヴァンサン・フィショさんが千駄ヶ谷で行っているハンガーストライキの影響もあり、課題提起したものと考えられます。
日本では、離婚後の親権は片方の親が持つという「単独親権」の考え方を取っています。
これは、先進国の中では極めて珍しい考え方です。
この日本の独特な制度が、子どもの連れ去りを容認する背景となっているとの指摘があります。
EUは、1年以上も前に、親の子供連れ去りを禁止するよう日本に要請する決議を採択しています。
このように、日本は親権問題に関して国際社会から非難されているのですが、そのことが国内であまり認識されていないのが現状です。
フランスなど、ほとんどの先進国は、離婚後も父母両方が親権を持つ「共同親権」が一般的です。
それが、日本では認められていません。
日本では、父母ともに親権者として問題ない場合であっても、離婚すればどちらか一方を親権者として選ばなくてはなりません。
そのことが、父母の争いを激化させ、高葛藤にし、実子誘拐などの問題も生み出しているのです。
日本も、国境を越えて連れ去られた子どもの扱いを定めたハーグ条約には加盟しています。
しかし、国境を越えない連れ去りは国内で横行しており、ヴァンサン・フィショさんのような理不尽に遭う親が、日本国内では数多く生み出されているのです。
筆者も、不倫した妻に、大切な子供を連れ去られそうになった経験を持ちます。
幸い、筆者の場合は、未然に察知したため子供の人生を守ることができました。
しかし、もし察知していなければ、筆者もヴァンサン・フィショさんと同じ境遇になっていたでしょう。
そのため、その理不尽さがよく理解できます。
日仏首脳の共同声明では、「子の利益を最優先に対話」という言葉が盛り込まれるようです。
これが直ちに、子の連れ去りへの抑止力には、恐らくならないでしょう。
しかし、一歩前進であることは、きっと間違いないでしょう。
ヴァンサン・フィショさんのハンガーストライキは、既に2週間も続いています。
「子供に会う」という人として当たり前のことのために、職も家も投げうって、命を懸けて戦っているのです。
ヴァンサン・フィショさんが、命を落とすことなく子供と再会できる日が、一日も早く来ることを願います。