別居する妻が育てている10代の息子を、妻に無断で長野県から沖縄県まで連れ回した夫が、未成年者誘拐の疑いで逮捕されました。
逮捕されたのは、長野県北安曇郡の団体職員の男(51)です。
男は、9月18日から24日にかけて、別居する妻が育てている10代の息子を、無断で沖縄県まで連れ回したとのことです。
当初は、9月19日に息子を妻に引き渡すという約束だったそうです。
しかし、約束の時間になっても子どもが帰ってこないことから、妻が警察に通報していました。
警察の調べで沖縄県に滞在していることがわかり、24日に、沖縄県内で夫が逮捕され、息子は無事に保護されたという事件です。
この夫婦が別居し、妻が監護することになった経緯はわかりません。
夫にとっては、理不尽に子供から引き離されたように感じているのかもしれません。
しかし、どんな事情があったとしても、面会交流の約束を破ることはあってはなりません。
筆者も、親権を持つひとり親の立場ですので、この妻の気持ちが良くわかります。
筆者は、別れた妻のことは必ずしも信頼はしていませんが、面会交流はしっかり行っています。
子供の健やかな成長のために、メリットがあると考えているからです。
しかし、無断で遠方に連れ去るような事件が起きてしまうと、無理心中など、最悪の事態も頭をよぎります。
連れ去った側にはそんなつもりは無くても、同居親はあらゆる可能性を心配するのです。
そして、一度約束を破られてしまうと、もう二度と子供を安心して引き渡すことができなくなってしまうのです。
つまり、子供のためにもなりません。
この夫は、軽率な行動により、自分だけでなく子供の人生も狂わせてしまいました。
面会交流は子供のために行うものであり、父母の最低限の信頼がなければ行うことができません。
そのことを、同居親も別居親も十分理解したうえで、面会交流を行って欲しいと願います。