「長男(当時4歳)を約1か月間自宅に連れ去った」という容疑で未成年者誘拐罪に問われた福岡県の男性に対し、懲役1年、執行猶予3年(求刑・懲役1年)の有罪判決が出ました。
昨年8月の事件ですが、当時夫は妻と別居しており、子供は妻の監護下でした。
容疑は面会交流中に夫が子供を自宅に連れて帰ったことですが、元はと言えば、妻が夫に無断で子供を連れ去っていたようです。
弁護側は「妻が正当な理由なく長男を連れて別居したことが違法で、あるべき状態への回復を図った」と主張しましたが、判決は「家裁などを通じた法的手段を取るべきだ。親権の行使として正当化できない」と結論付けました。
この事件のように、日本では、最初の連れ去りには刑事罰が適用されず、連れ戻しには刑事罰が適用されるケースが非常に多いです。
連れ去られた側から見ると、非常に理不尽です。
「最初に連れ去ったのと同じではないか?」
という考えは、法律の専門家でない一般人にとっては、いたって普通の感覚だと思います。
しかし、連れ戻しを認めてしまうと際限なく奪い合いとなってしまうので、子供が平穏な生活を送ることができなくなってしまいます。
筆者としては、連れ戻しが違法であることは理解できるのですが、最初の連れ去りに対して甘すぎるのは法の欠陥だと思います。
「先に連れ去った方が有利」という弁護士のアドバイスが水面下で横行し、実子誘拐事件が蔓延する原因となっています。
例えば、連れ去り側の主張するDVや虐待が虚偽であることが判明した場合などは、最初の連れ去りに対して刑事罰を与えるべきだと思います。
また、連れ去りは子供の人生を狂わせる行動であるため、親権を判断するうえでも、むしろペナルティを課すべきだと考えます。
こういった問題の存在が、もっと広く知られ、国民的に議論されることを願います。