元卓球選手で五輪メダリストの福原愛さんの離婚報道により、日本で注目を浴びることになった「共同親権」の日本への導入の可能性ついて、Yahoo!ニュースで取り上げられました。
福原愛さんは、子供を台湾に残したまま日本に帰国し、日本国内で一般男性と不倫したとの疑惑が週刊誌に報じられ、日本でも大きな批判にさらされていました。
福原愛さんと江宏傑さんの夫婦が日本国内の法律に基づいて親権を争ったら、恐らく、福原愛さんは親権にかなり不利な戦いとなっていたでしょう。
しかし、台湾には共同親権の制度があります。この制度のおかげで、福原愛さんは親権を失わずに済んだと言えます。
双方が「少しでも子供達への影響を減らすことができるよう、それぞれ努力いたします」とコメントを発表していますが、まさに、子供のために「共同親権」という結論を選択したのでしょう。
離婚すると夫婦は他人になりますが、親子は親子のままです。
両親ともに親権者として大きな問題がないのであれば、両親ともに離婚後も親権を持ち続ける方が、むしろ自然です。日本のように、強制的に片親が親権を失う方が異常なのです。
単独親権者の権限は極めて強いため、親権を持たない別居親の中には、子供と全く会えなくなってしまった方も数多く存在します。
同居親の考え方次第で、簡単に別居親と子供を断絶できてしまう日本の現行法には問題があると思います。
一方、共同親権制度を日本に導入することには、反対意見も根強く存在します。
リンク先の記事にも記載されていますが、共同親権に反対する意見の多くは、DVから逃げられなくなることを反対理由に挙げています。
しかし、DV被害者の保護は、共同親権の制度の有無にかかわらず取り組むべき課題であり、親権制度とは直接関係ありません。切り離して考える必要があります。
共同親権の制度があっても、親権者として不適格な場合は親権を停止しなければならないことは国会の法務委員会調査室のレポートでも明記されています。
虚偽DVの存在等も考慮する必要があるので、共同親権を認めない場合のガイドラインと一定の公的機関の認定などの手続保証が必要となりますが、そういった制度設計を通じてDV被害者を保護すべきなのです。
離婚の原因にかかわらず、強制的に単独親権にすることが子供の利益にかなうとは思えません。共同親権制度が存在する方が幸せになる子供は、日本国内にも少なからず存在するでしょう。
福原愛さんのおかげで「共同親権」という言葉の認知度が広がったと感じます。
この機会に、日本の単独親権が本当に子供のためになっているのか、国民的な議論が広がってほしいと思います。