2022年８月24日、神奈川県警捜査一課は、横浜市緑区の職業不詳・内田正也容疑者（30）を傷害致死の疑いで逮捕しました。横浜市鶴見区のアパートで、交際していた同居女性の息子・紺野叶志郎（きょうしろう）ちゃん（当時４）に暴行を加え死亡させた疑いです。内田正也容疑者は「暴行はしていません」と否認しています。
横浜市鶴見区4歳児暴行殺害事件は、今から4年半も前、18年１月23日午前10時ごろに発生しました。逮捕された内田正也容疑者は、被害児童の母親の交際相手でした。
事件当時、同居していた被害児の母親は外出しており、アパートでは内田正也容疑者と紺野叶志郎ちゃんの２人きりでした。内田容疑者の119番通報で病院に搬送されましたが、2日後の25日午後に死亡が確認されました。死因は急性硬膜下血種、外傷性くも膜下出血だったそうです。
「子どもが遊んでいた部屋から、ドスンという大きな音がした。自分で飛び跳ねて転び、頭をうったようだ。行ってみると、子どもは意識を失っていた」
加害者の内田正也容疑者は、自ら119番通報してこのように説明していましたが、亡くなった叶志郎ちゃんの身体には、複数のあざがありました。不審に思った病院は、直後に「虐待の可能性が疑われる」と警察に通報し、４年半経過したのちに逮捕に至ったのです。
また、事件の半年ほど前の17年9月には、同居女性も『交際相手が子どもを殴る』と警察に相談していたことがわかっています。県警は叶志郎ちゃんの身体のあざを認め、内田容疑者を口頭で注意し、横浜市の児童相談所にも通告していました。通告を受けた児相は、家庭訪問し虐待を認識しましたが、緊急性はないと判断し叶志郎ちゃんを保護しなかったそうです。
叶志郎ちゃんが亡くなってから４年以上もかかりましたが、ようやく容疑者が逮捕されました。児童虐待事件は密室で行われるため、証拠が残りにくく逮捕が難しいのです。実は犯人が逮捕された事件は氷山の一角で、逮捕も報道もされない虐待死事件はもっと多いのかもしれません。
この事件の被害児である紺野叶志郎ちゃんの母親は、子供を殺された気の毒なヒロインなどではありません。虐待に気づきながら自分の幸せを優先し、子供を非難させないというのは、虐待に加担する行動なのです。
女性の連れ子は、交際男性の憎しみを買いがちです。男性にとって「好きな女性の元カレの子ども」というのは本能的には憎しみの対象となるのです。シングルマザーが男性と交際することが全て悪とは思いませんが、このようなことを念頭に、子供にとっても幸せであるかを見極めて交際すべきだと思います。