事件の概要
2023年1月17日の朝、大分県中津市のアパートで、小学1年生女児の嬉野いち花(か)さん(7歳)が自宅で死亡しているのが見つかった事件で、大分県警は一緒に住んでいた母親の嬉野陽子容疑者(40)を逮捕しました。事件の現場はJR中津駅の近くの住宅街で、近くには中津市役所があります。
殺人の疑いで逮捕されたのは、大分県中津市豊田町の無職、嬉野陽子容疑者(40)です。嬉野陽子容疑者は、1月17日午前0時ごろ、自宅で娘の小学1年生、嬉野いち花さんを殺害した疑いが持たれています。
嬉野陽子容疑者は17日午前7時26分頃、自ら「娘を殺してしまいました」と中津警察署に通報しました。現場に駆けつけた警察官がアパートの寝室で嬉野いち花さん(7)を発見、救急隊員が死亡を確認しました。目立った外傷や出血などはなかったとのことです。
嬉野いち花さんに目立った外傷や争った形跡などはなく、警察が詳しい経緯を聞いていましたが、母親の嬉野陽子容疑者が嬉野いち花さん殺害を認め、容疑が固まったため、殺人の疑いで逮捕しました。これまでの取り調べに対し、嬉野容疑者は容疑を認め、落ち着いて受け答えをしているということです。
中津市教育委員会によると、嬉野いち花さんは、学校生活の中で特に懸念される状況はなかったとのことです。
嬉野容疑者はいち花さんと2人で暮らしていて、2021年の9月、警察や児童相談所に「子どもの育て方が分からない」などと、電話で育児の相談をしていたとのことです。
大分県警によると、中津署は2019年8月に嬉野陽子容疑者と男性の間のトラブル(男性によるDV)を把握し、娘の嬉野いち花さんも心理的虐待(面前DV)を受けた可能性があるとして児童相談所に通告しましたが、嬉野いち花さんには、当時は外傷などは見つからなかったとのことです。また、21年9月にも嬉野容疑者から育児に関する相談を受け、児相に連絡していたとのことです。
またしても、罪の無い幼い子供が犠牲になる虐待事件が起きてしまいました。行政にも相談があったのに、最悪の結末となってしまったことは残念です。
嬉野陽子さんが、育児の相談をなぜ警察にしていたのかよくわかりませんが、他に気軽に相談できる場がなかったのかもしれません。公の窓口に相談しても、説教されるばかりで共感してもらえないといった話も聞きます。
一方、地域にもよりますが、公共施設や民間の子ども食堂といったセーフティネットも存在します。支援が必要なのは、経済的な困窮家庭だけではありません。色々な育児の悩みを抱える家庭が、もっと気軽に利用できる制度や施設、コミュニティがあればと思います。
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