実子誘拐(子の連去り)問題について
今日の北海道新聞にて、子の連れ去り問題が取り上げられました。
夫婦関係の悪化により、夫婦の一方が、もう一方の了解を得ずに、子供を連れ去る「実子誘拐」問題が、最近社会問題となっています。
DVや児童虐待などから避難するケースもありますが、そういった問題が無いにも関わらず子を連れ去るケースも数多く発生しているようで、SNS等では無理やり子供と引き離された親の悲痛な書き込みも毎日見かけます。
悪質なケースでは、不倫した親が子供を連れ去り、面会交流を交渉材料に、離婚と養育費を要求するようなケースも数多く見られます。
もはや営利誘拐であり、これを罰する法律が無いことが到底信じられません。
日本の司法判断は、「継続性の原則」が過度に強いため、このような悪質なケースでも連れ去った側の親に親権が認められることが多いのが実情です。親権が手に入れば、不倫の慰謝料よりも高額な養育費を要求することができるため、お金目当てで誘拐するケースも一定存在するでしょう。
こういった悪質なケースであっても連れ去り側に有利な判断を出す司法判断を変えない限り、今後も不幸な親子断絶は増え続けると思います。国民的な議論が必要です。
単独親権と共同親権
北海道新聞の記事では、共同親権についても触れられています。
先進国の多くが共同親権制度を持つ一方で、日本では家父長制度の名残もあり単独親権制度が続いてきた。国は法制審議会で共同親権制度についてようやく議論を始めたが、家庭内暴力(DV)があった場合、元配偶者や子どもに危害が及ぶ恐れもあるなど課題も出ている。
北海道新聞
日本で、子の連れ去り問題が蔓延する背景の一つに、日本が単独親権制度であることがあります。
海外ではほとんどの国が共同親権制度を採用しており、日本でも検討されてはいますが、慎重論も根強く、実現までの道のりはまだ近いとは言えないのが実情です。
確かに、DVの被害者は守られるべきです。
一方で、DVも虐待もないのに理不尽に子供を連れ去られ、正当な理由もなく親子断絶させられる被害者たちも、また守られるべきです。
親が離婚しても、子供が父母の両方から愛されることができる社会になることを望みます。