2021年7月10日より千駄ヶ谷駅でハンガーストライキを行っている、日本に暮らすフランス人であるヴァンサン・フィショ(Vincent Fichot)さんが、フランスの大統領を動かしました。
ヴァンサン・フィショさんがハンガーストライキを行う理由
ヴァンサン・フィショさんは、日本の証券会社で激務に耐えて働きながら、家庭では育児も担っていました。
一方、ヴァンサン・フィショさんによると、彼の妻は家事や育児を放置していたそうです。
しかし、2018年8月10日、ヴァンサン・フィショさんの妻が、突然当時3歳と11か月の子供を連れ去り、家を出たのです。
妻は、弁護士を通じて、 ヴァンサン・フィショさんのDVを主張してきました。
しかし、DVの事実は、後の裁判で否定されました。現在は、妻もその主張を撤回しています。
つまり、虚偽DVだったのです。
しかし、妻の虚偽が暴かれたにも関わらず、妻や裁判所は、現在もヴァンサン・フィショさんと子供との面会を拒否し続けています。
ヴァンサン・フィショさんは、もう3年も、大事なお子さんに会えていません。
そして、月に90万円の婚姻費用を請求されるという理不尽に晒されています。
営利誘拐以外の何物でもありません。
ヴァンサン・フィショさんの身に降りかかった理不尽に対しては、自分のことのように憤りを感じます。
ヴァンサン・フィショさんは、仕事を辞め、子供たちとの思い出が詰まった家を売却し、全てを捨てて闘うことを決めました。
こうして、 ヴァンサン・フィショさんのハンガー・ストライキが始まったのです。
日本の単独親権制度は、海外から見ると特異だ
ヴァンサン・フィショさんは、離婚をしても、両親は子供の養育に関わることができると当たり前に考えていました。
ヴァンサン・フィショさんの母国フランスには、離婚後の共同親権制度があるためです。
他のほとんどの先進国も、共同親権制度があります。
しかし、日本は違ったのです。
日本は、離婚後は単独親権制度です。
父母ともに親権者として問題ない場合でも、強制的に、片方が親権を失うことになるのです。
そして、親権を得た方の親次第では、もう片方の親と子供を断絶させることも、簡単にできてしまいます。
実際、有責でもない親が子供を連れ去られ、子供と会うこともできなくなる事件が、日本では数多く発生しています。
ヴァンサン・フィショさんも、この日本の特異な親権制度のせいで、望まずして子供と断絶させられてしまったのです。
仏マクロン大統領は日本に協議を求めるが、茂木外相は的外れなコメント
フランス大統領府は、「大統領はフィショさんの状況に注意している。日本当局との解決策を引き続き模索している」と説明しています。
一方、日本の茂木敏充外相は、「個別の民事事案にコメントする立場にない。(日本)国内における事案は、国内法にのっとり、当事者間で解決されるべきだ」との認識を示しました。
しかし、1年前にEUが「日本人の親が日本国内で子どもを一方的に連れ去り、別れた相手と面会させないことなどを禁止するよう日本政府に要請する」決議案を採択するなど、この問題はかねてから外交問題でした。
国内法にのっとり、当事者間で解決できるのであれば、外交問題になどなりません。
国内法に不備があるから外交問題になっているのです。
当事者間で解決できるような国内法になっていないことが、なぜ分からないのでしょうか?
かねてからの海外からの指摘に、真摯に向き合うことなく無視し続けたうえ、国内法の不備を棚に上げて「個別の民事事案」と切り捨てる茂木氏には、外相の資格はないと思います。
ヴァンサン・フィショさんの戦いが、日本を変えることを願ってやみません。